PanCANマイトラ先生が選らぶ膵癌治療を変えた試験:その1 POLO試験(リムパーザ)
PanCANマイトラ先生が選らぶ膵癌治療を変えた試験:その1 POLO試験(リムパーザ 本邦未承認)
2020年1月2日
第III 相POLO臨床試験中間解析の結果、転移性膵臓がんと診断されBRCA1またはBRCA2の生殖細胞変異を有する患者は、オラパリブを用いた維持療法により、2年の時点で疾患の進行までの期間と進行のない患者の割合が倍増したと発表しました。
シカゴ大学のヘディー・キンドラー博士は、POLO試験によるオラパリブの維持療法は、無増悪生存期間(PFS)において統計的に有意で臨床的に意味のある47%の改善をもたらしたと発表しました。プラチナベースの化学療法に対する安定または応答性をみせた後にオラパリブによる維持療法を受けた患者の無増悪生存期間の中央値は、プラセボ群の3.8カ月と比較して7.4カ月と倍増しました(ハザード比[HR] = 0.53; P = .0038)。この結果は、The New England Journal of Medicine誌にも同時に発表されました。PARP阻害剤は、乳がん卵巣がん症候群(HBOC)としても知られているBRCA変異を有する乳がん、卵巣がんの患者の治療において、2013年に米国食品医薬品局(FDA)によって承認され世界で使用されています。