国内ニュース:膵臓がん診療ガイドライン2019年度版の改訂について

2019年7月20日 

  3年ぶりに改訂となった膵癌診療ガイドライン2019年度版が金原出版より出版された。この改訂では、「切除可能境界膵癌の治療法」が新設されたほか、術前・術後補助療法、高齢患者の増加、ゲノム医療の到来など、急激な社会的変化など、大きく変化してきているすい臓がんの診療の変化に対応した内容となっています。問題は、2019年度版を購入していない、あるいは患者版がまだ出版されていないため購読していないなど、今回の改訂で患者の治療に有益な選択肢が増えているにも関わらず、患者がそれを知らないがために不利益を被っていることです。

 この2019年版膵癌診療ガイドラインは、最寄りの書店、amazonから購入することができますので、知らないがために不利益を被らないよう、膵臓がん患者さん、ご家族、介護者はぜひ最新版をご一読ください。

 パンキャンでは、患者さん、ご家族に知っていただきたい最新の膵癌診療ガイドラインの内容を国立がん研究センターなどの先生に医療セミナーを通して説明していただいています。パンキャンの活動目標は、患者さんの生存期間を延長し、生存率を倍増すること(Double Survival)ですので、皆様の治療の実益となる情報を提供しています。日本を代表する膵癌治療のトップの先生方との対談から膵癌診療ガイドラインの最新情報を学び、ご自分の治療に活かしていただけるよい機会です。ぜひこの機会にパンキャンが主催する医療セミナーにご参加ください。質疑応答の時間では、ご不明な点、わかりづらい点などについて、質問していただけます。

  2019年11月04日14:時~膵がんセミナー@損保会館404会議室。詳しくは、https://bit.ly/36tgTKZ 当日参加OK

  2019年12月22日14時~膵がんセミナークリスマススペシャル@TPK会議室、詳しくは11月中旬以降のHPをご覧ください

 

■膵癌診療ガイドライン改訂委員会について

 今回の改訂では、日本膵臓学会より委嘱をうけた内科、放射線科、外科、臨床腫瘍、緩和療法、精神腫瘍学、リハビリテーション、栄養学など多領域の医師、がん専門看護師、がん専門薬剤師、臨床心理士、医療ソーシャルワーカーなどの多職種の医療者、および患者が改訂委員として参画し、総勢90名の体制で、これまでよりも長い時間と労力を費やして議論と修正を重ね、体系化された指針が作成されました。

■本ガイドラインの内容について

 膵癌の治療法も改善され、支持療法の重要性が指摘されるようになりました。転移・再発の治療法も新しくなっています。また、黄疸のときに使われるステントの進歩から治療法も新しくなってきています。


 1. 診断
 2. 外科的治療法
 3. 補助療法
 4. 放射線療法
 5. 化学療法
 6. ステント療法
 7. 支持・緩和療法

アルゴリズム
 膵癌診断のアルゴリズム
 膵癌治療のアルゴリズム
 膵癌化学療法のアルゴリズム

各論
I 診断法(Diagnosis)
 1.診断法(Diagnosis)〔D〕
  A. 存在・確定診断(Detection)〔D〕
  DD1 膵癌を疑った場合の検査法
  DD1-1 膵癌を疑った場合、USは診断法として推奨されるか?
  DD1-2 膵癌を疑った場合、造影CTは診断法として推奨されるか?
  DD1-3 膵癌を疑った場合、腹部MRIは診断法として推奨されるか?
  DD1-4 膵癌を疑った場合、EUSは診断法として推奨されるか?
  コラム1 日本膵臓学会の家族性膵癌レジストリ
  DD2 膵癌を診断するための次のステップ
  DD2-1 膵癌を診断するための次のステップとしてERCPは推奨されるか?
  DD2-2 膵癌を診断するための次のステップとしてPETは推奨されるか?
  DD3 確定診断
  DD3-1 細胞診、組織診は膵癌の確定診断法として推奨されるか?
  DD3-2 腫瘤が認められる場合には、EUS-FNAは病理診断法として推奨されるか?
  DD3-3 腫瘤はみられないが膵管の異常所見が認められる場合、ERCPを用いた膵液細胞診は推奨されるか?
  コラム2 病診連携を生かした膵癌早期診断
  
  B. 病期・切除可能性診断(Staging)〔Sg〕
  DSg1 膵癌の病期診断・切除可能性の評価
  DSg1-1 造影MDCTは膵癌の病期診断・切除可能性の評価に推奨されるか?
  DSg1-2 腹部MRIは膵癌の病期診断・切除可能性の評価に推奨されるか?
  DSg1-3 EUSは膵癌の病期診断・切除可能性の評価に推奨されるか?
  DSg1-4 PETは膵癌の病期診断に推奨されるか?
  DSg1-5 審査腹腔鏡は膵癌の病期診断・切除可能性の評価に推奨されるか?
  DSg2 膵癌患者の術前に血液生化学的所見を組み合わせた栄養評価や体組成(筋肉量や脂肪量など)の評価を行うことは推奨されるか?

II 治療法(Treatment)
 1.切除可能(Resectable)膵癌の治療法〔R〕
  A. 外科的治療法(Operation)〔O〕
  RO1 膵癌では手術例数の多い施設で外科的治療を受けることが推奨されるか?
  RO2 腹腔洗浄細胞診陽性膵癌に対して外科的治療は推奨されるか?
  RO3 膵癌に対して門脈合併切除は推奨されるか?
  RO4 膵癌に対して予防的拡大リンパ節・神経叢郭清は推奨されるか?
  RO5 膵頭十二指腸切除術の適応のある浸潤性膵管癌に対して、腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術は推奨されるか?
  RO6 膵体尾部切除術の適応のある浸潤性膵管癌に対して、腹腔鏡下膵体尾部切除術は推奨されるか?
  RO7 膵癌切除後の長期にわたる定期的な経過観察は推奨されるか?
  RO8 膵癌切除後の周術期における栄養療法(経腸栄養療法)は推奨されるか?
  RO9 80歳以上の高齢者膵癌に対して外科的治療は推奨されるか?
  RO10 膵癌に対してR0切除のための膵全摘術は推奨されるか?
  
  B. 補助療法(Adjuvant)〔A〕
  RA1 切除可能膵癌に対して術前補助療法は推奨されるか?
  RA2 膵癌の術後補助化学放射線療法は推奨されるか?
  RA3 膵癌の術後補助化学療法は推奨されるか?

 2.切除可能境界(Borderline Resectable)膵癌の治療法〔B〕
  B1 切除可能境界膵癌に対して外科的治療は推奨されるか?
  B2 膵癌に対して動脈合併切除は推奨されるか?
  B3 切除可能境界膵癌に対する術後補助化学療法は推奨されるか?

 3.局所進行切除不能膵癌の治療法〔L〕
  L1 局所進行切除不能膵癌に対して一次治療は何が推奨されるか?

  A. 放射線療法(Radiation)〔R〕
  LR1 局所進行切除不能膵癌に対して化学放射線療法は何が推奨されるか?
  LR2 局所進行切除不能膵癌に対する放射線療法として、予防的リンパ節領域照射は推奨されるか?
  LR3 局所進行切除不能膵癌に対して化学放射線療法前の導入化学療法は推奨されるか?
  LR4 痛みなどの局所症状を伴う局所進行切除不能膵癌に対して放射線療法や化学放射線療法は推奨されるか?
  コラム3 膵癌に対する高精度放射線治療
  コラム4 ハイパーサーミア
  
  B. 化学療法(Chemotherapy)〔C〕
  LC1 局所進行切除不能膵癌に対して一次化学療法は何が推奨されるか?
  LC2(MC2)切除不能膵癌に対して二次化学療法は推奨されるか?
  LC3(MC3)切除不能膵癌に対する化学療法では、病態進行が明らかとなるまで継続することは推奨されるか?

  C. 外科的治療法(Operation)〔O〕
  LO1 初診時切除不能である局所進行膵癌に対する集学的治療後の原発巣切除は推奨されるか?

 4.遠隔転移を有する膵癌の治療法〔M〕
  A. 化学療法(Chemotherapy)〔C〕
  MC1 遠隔転移を有する膵癌に対して一次化学療法は何が推奨されるか?
  MC2(LC2)切除不能膵癌に対して二次化学療法は推奨されるか?
  MC3(LC3)切除不能膵癌に対する化学療法では、病態進行が明らかとなるまで継続することは推奨されるか?
  コラム5 膵癌に対する免疫療法
  コラム6 臨床試験の必要性

  B. 放射線療法(Radiation)〔R〕
  MR1 痛みを有する膵癌骨転移に放射線療法は推奨されるか?
  MR2 膵癌の術後転移・再発巣に対して放射線療法は推奨されるか?

  C. 外科的治療法(Operation)〔O〕
  MO1 膵癌の術後転移・再発巣に対して外科的切除は推奨されるか?

 5.支持・緩和療法(Supportive & Palliative Medicine)〔S〕
  A. ステント療法(Stenting)〔St〕
  SSt1 切除不能膵癌に対する胆道ドレナージのアプローチルートは経皮的、内視鏡的経乳頭的、内視鏡的経消化管的のどれがよいか?
  SSt2 閉塞性黄疸を伴う膵癌のうち術前の患者に対してプラスチックステントとメタリックステントはどちらが推奨されるか?
  SSt3-1 閉塞性黄疸を伴う切除不能膵癌に対する胆道ドレナージにおいてプラスチックステントとメタリックステントはどちらが推奨されるか?
  SSt3-2 閉塞性黄疸を伴う切除不能膵癌に対するメタリックステントはカバー付きとカバーなしではどちらが推奨されるか?
  SSt4 消化管閉塞をきたした切除不能膵癌に対して外科的胃空腸吻合術よりも消化管ステント挿入術が推奨されるか?
  コラム7 ステントと化学療法、放射線療法

  B. 支持・緩和療法(Supportive & Palliative Medicine except Stenting)〔Sp〕
  SSp1 膵癌患者・家族の精神心理的苦痛の軽減を目指した介入は推奨されるか?
  SSp2 膵癌による上腹部、背部痛のある患者に非オピオイド鎮痛薬、オピオイド鎮痛薬、鎮痛補助薬、神経ブロックは推奨されるか?
  コラム8 悪液質を伴う膵癌患者における栄養支持療法について
  SSp3 膵癌術後患者に対して、運動療法を行うことは推奨されるか?
  コラム9 患者向け資材(パンフレット)を情報提供の際に用いることは推奨されるか
  コラム10 医療者が患者とのコミュニケーション・スキルを身に付けることは推奨されるか
  SSp4 進行膵癌患者に、アドバンス・ケア・プランニングを行うことは推奨されるか?
  SSp5  FOLFIRINOX療法、ゲムシタビン塩酸塩+ナブパクリタキセル併用療法の末梢神経障害に対して、プレガバリン、デュロキセチンは推奨されるか?
  コラム11 膵癌患者の心理的・社会的・経済的問題に対する支援
  コラム12 患者会と医療関係者の協働によるがん医療のアウトカム改善は可能か

 

■購入方法について

 この2019年版膵癌診療ガイドラインは、最寄りの書店、amazonから購入することができますので、知らないがために不利益を被らないよう、膵臓がん患者さん、ご家族、介護者はぜひ最新版をご一読ください。

 

 

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