新年のご挨拶 2018

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新年のご挨拶

 

新年明けましておめでとうございます。

 

新春をお健やかにお迎えのことと、謹んでお慶び申し上げます。旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。

難治性がんの筆頭である膵臓がんの患者の願いは「生きたい」です。過去30年間、がん全体の5年生存率は48.8%から69.9%へと改善されるなか、膵臓がんの5年生存率は3.1%から6.9%と他のがんに大きく引き離されました。そのような状況から脱却するために米国パンキャン本部では、患者の希望を叶えるために戦おうと、「Wage Hope」という標語を掲げ、2020年までに膵臓がん患者の生存率を倍増するための「ダブル サバイバル(DOUBLE SURVIVAL)」というキャンペーンを続けています。患者家族の「生きてほしい」という願いを実現するためにもパンキャンの第一のミッションである「研究促進」がいま求められています。

 

日本支部であるパンキャンジャパンが設立された2006年は、「がん難民」が日本で社会問題化し、がん患者団体がドラッグラグ解消、がん対策基本法の制定を訴えた時代でした。がん医療の均てん化が進まないなか、多くの膵臓がん患者が標準治療が受けられずに亡っていました。それから11年。2006年に「がん対策基本法」が制定され、がん診療連携拠点病院制度が全国に400以上設立され、膵臓がんにも新薬がいくつか承認されました。また、2016年には希少がん、難治性がんの研究促進が盛り込まれた「改正がん対策基本法」が制定されました。

 

いまがん医療は大きく変わろうとしています。昨年5月に米国医薬食品局(FDA)により、特定の膵臓がん患者(MSI-HまたはdMMR検査陽性)に対して、ペンブロリズマブという新しいタイプの免疫療法がはじめて承認されました。バイオマーカーに基づいて医薬品を臓器を横断する形で承認するのは米国食品医薬品局でも初めてのことでした。がんが発生した部位で使う治療薬が決まる時代から、がん細胞の分子的な特徴にあわせて使用する医薬品がきまる時代の到来を示唆しました。米国パンキャン本部では、米国食品医薬品局と相談の上、いままで以上に短期間に結果をだすことが可能となるアダプティブデザインを採択した治験を準備しています。この治験では、分子プロファイリング検査にリキッドバイオプシーを使い、分子標的薬、チェックポイント阻害剤などを選択します。このように、米国パンキャン本部の主導により膵臓がんのゲノム医療が進むことで、日米協力体制の構築が可能となり、貴重な治験情報の入手も可能となり、日本の膵がん患者さんにゲノム医療をいち早く届ける可能性がでてきました。また、家族性膵がんのご家族など、ハイリスクな方にも朗報があります。ハイリスクの方を対象とした、ステージ0、ステージ1の早期の段階で膵臓がんで見つける可能性のある血液検査の登場です。いま欧米を中心に臨床試験が進んでいます。一時も早く実用化にむけた準備をすすめ、国内で家族性膵がん登録制度に登録された方に安心していただきたいと思います。

 

国内でも米国と同じような多様な分子標的薬を提供し、試験の途中でも患者さんにより有効で安全な治療を割り付けられるようにするするアダプティブな治験を実現し、膵臓がん患者に参加してもらいたいと考えいます。その準備のために、パンキャンジャパンでは厚生労働省医薬品審査課にバイオマーカーを基にした承認体制の整備に関する要望書を提出し、製薬企業には迅速に承認申請提出を求める要望書を提出しました。また、ゲノム医療の新薬を患者にとどけるために、他のがん患者団体とも協力し、数々の制度改革(がん遺伝子検査の早期保険償還とゲノム情報をもとにした差別禁止法の実現)を目指した活動にも取り組んできました。また、全国の膵臓がん患者を支援するために各地の専門医の協力を仰ぎながら全国にパンキャンジャパンの支部設立を進めてまいりました。お陰さまで、北は北海道から南は九州まで昨年までに現在6支部が立ち上がりました。これからも皆様のご支援を仰ぎながら全国に支部活動を広げていきたいと考えております。

 

このように世界の膵臓がん患者さんの生存率を改善するために進められているパンキャンの活動を通して、患者さんやご家族に明るいニュースを届けられるのも、多くの皆様からのご支援・ご協力があればこそです。皆様のご厚情に深く感謝をいたしますとともに、これからも膵臓がんの研究支援、政策提言活動、患者支援に邁進したいと存じます。

 

今後も変わらずご支援、ご指導賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 
2018年元旦
 
特定非営利活動法人パンキャンジャパン
理事長 眞島喜幸

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